細密画

●野菜編(夏〜秋)
東京都農林総合研究センターには、明治から昭和中期かけて描かれた900点に及ぶ園芸作物の細密画が所蔵されています。それらは、カラー写真のない時代に、試験場専属の絵師により、細部まで写実的に描かれたものです。このコーナーでは、季節ごとに数点の細密画をご紹介していきますので、ご鑑賞していただければ幸いです。


砂村丸なす(すなむらまるなす)
砂村周辺(現在の江東区砂町)は江戸時代からの野菜産地で、ここで生まれた地名付き品種のひとつが「砂村丸なす」。早出し栽培を主体に、料理屋向けに作る品種だったようだが、第二次世界大戦中に滅んでしまった。



軟化茗荷(なんかみょうが)
地下鉄丸の内線に茗荷谷という駅名がある。江戸時代から大正時代にかけては、早稲田周辺でたくさん栽培され、薬味として愛用されてきた。ミョウガタケは根茎から発生する茎葉を軟化伸長させたもので、江戸職人ならではの芸術品である。



馬込半白キュウリ(まごめはんじろきゅうり)
明治33年に大田区馬込で生まれた。普通のキュウリに比べてやや短い円筒形。6割近くを白い部分が占める。糠漬けに適しており、現在は都内各地で少量ずつではあるが復活が試みられている。



居木橋南瓜(いるきはしかぼちゃ)
荏原郡大崎町居木橋(現在の品川区大崎)を中心に栽培された。早生で小型、果皮に大小のこぶ状突起があるのが特徴。別名「縮緬(ちりめん)かぼちゃ」とも呼ばれた。果肉は厚く、熟すと黄褐色になって甘みがあり、品質では右に出るものがないとまでいわれ、明治時代に東京で評判をとった品種。


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